「舞の海氏が排外発言」記事の顛末、そもそも対立構造の中の話だからねえ…

“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言 (週刊金曜日) – Yahoo!ニュース

“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言

週刊金曜日 5月22日(木)18時20分配信

 改憲を唱える政治団体が4月29日、東京・明治神宮会館で開いた「昭和の日をお祝いする集い」で、厚労政務官・高鳥修一衆院議員(自民)らを先頭に、来賓と全参加者約250人が起立し、“聖寿万歳”と称し「天皇陛下万歳」を大合唱した。この日は昭和天皇の死去後、みどりの日になったが2005年に昭和の日に法改正。主催団体であるNPO法人「昭和の日ネットワーク」は、吉見義明中央大学教授の従軍「慰安婦」問題訴訟で被告・桜内文城衆院議員(維新)の代理人を務めている高池勝彦弁護士の事務所に連絡先を置く。

“式典”では、竹下亘衆院議員(自民)に続き、田沼隆志衆院議員(維新)が「祝日法に『昭和天皇陛下の誕生日』という言葉を入れると共に、『文化の日を明治の日に、勤労感謝の日を新嘗祭にする』よう、祝日法全体を見直す」とも発言。そのほかの野党では民主党の金子洋一参院議員の名も祝電で披露されていた。

「昭和天皇と大相撲」と題し“記念講演”をした舞の海秀平氏が「外国人力士が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えないが、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」と語ると、参加者から拍手が湧いた。“日の丸”旗を手にした男性が「頑張れよ」と叫び、会場は排外主義的空気が顕著になった。さらに舞の海氏が「天覧相撲の再開が必要だ。日本に天皇がいたからこそ、大相撲は生き延びてこられた。天皇という大きな懐の中で生かされていると感じる。皇室の安泰を」と結ぶと、大拍手が起こっていた。

 最後の拓殖大学吹奏楽部による記念演奏会は“昭和のメロディー”と題されたものだが、「陸軍分列行進曲」「軍艦行進曲」など、軍歌が多かった。天皇のために人々が犠牲となる「海ゆかば」は、筆者を除く全員が起立斉唱していた。

(永野厚男・教育ライター、5月9日号)

一週間前の記事にこんなのがあり、私、割と相撲好きなもんですから、舞の海さんってこんな発言をしているんだ、とちょっとばかり驚いていたんですが、昨日、

「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正) – 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代 (ニューズウィーク日本版) – Yahoo!ニュース

を読み、んーとちょっとばかりうなってしまいました。

要点を整理しますと、

という顛末のようです。その動画がこちら。42分くらいからです。


舞の海秀平さんが相撲漫談@昭和の日お祝いする集い – YouTube

なぜ自分がこんなまとめをやっているのか、それ自体を何だかバカバカしく感じますが(笑)、まあとにかく動画を見てみました。

確かに、冷泉氏の記事のように、舞の海さんの講演内容自体に外国人力士排斥の意図は感じられません。

一方、週刊金曜日の記事をあらためて読んでみますと、本文のくだりに大きな誤りがあるとは言えません。ただ、記事はその部分をカギ括弧である程度正しく引用しているとはいえ、意図的に切り取っていることはあきらかですし、タイトルを「舞の海氏が排外発言」としてミスリードしようとしています。

こうした意図的な情報の流し方というのは、何も週刊金曜日だけではなく一般紙でも結構あることだと思いますので、まあ自分も含め皆さん気をつけましょうということなんでしょう。

ただ、見方をちょっとずらしてみますと、この「昭和の日をお祝いする集い」なるものの意図や舞の海さんの発言に対して会場が大きく沸く場面などを考えれば、全体的な雰囲気としては「排外」とは言わないまでも国体思想礼賛であることは間違いないでしょう。それに、そもそも週刊金曜日とこの団体は対立構造の中にあるわけで、そうしたことを差し引いて読むべき記事だったのかも知れません。

それにしても、舞の海さんはなぜこの団体の講演を引き受けたのでしょう? 当然何を喋れば受けるかということは分かった上での講演なんでしょうし…。