「イニシエーション・ラブ」のマユには作家の願望が出てますね(笑)。ところで、これどうやって映画化するんでしょう?

普段まず読むことのないジャンルの本を読みました。とても新鮮で面白かったです。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

なぜ読むことになったかといいますと、ダイレクトメールだったか、何かのサイトだったかは忘れましたが、Sony の電子書籍 Reader のポイント500円分が手に入ったからです。Sony は電子書籍から撤退したのかと思っていましたら、ソフトの方は続けていたんですね。


で、「イニシエーション・ラブ」を選択した理由は、映画化の話が記憶に残っていたのでしょう。値段も、450円でしたか、500円以内におさまりました。

読み始めてしばらくは、というよりほとんど全編なんですが(笑)、なんだこれ!?これで金取れるのか!?などと内心は思ったのですが、なにやら「ラスト2行で驚愕のミステリーに変わる」みたいな宣伝コピーがあるらしく、それにそそられて読み進みました。

でも、読んでも読んでも何もないし、何も起きないんですよね。ただ、頭に「トリック」という言葉が引っかかっていますので、ああこれはひょっとしてこうだな…などと、一生懸命裏を読もうとするわけです。

意外にも、内容はつまらなくても(スミマセン)、この感覚が読もうという意欲になるんですね。これも新鮮でした。

ああ、この子(マユ)何か隠しているなあとか、誰か別につきあっている男がいるな、あいつかな?こいつかな? 便秘はないでしょ、便秘は!?とか考えながら SideAを読み終えてもさっぱり分かりません。

と、正直、本当につまらない恋愛ドラマなんですが、ここまで来ると結構入っています。

そして、SideB、一年後くらいに時は進み、読み進むうちに、何だか妙な違和感が出てきます。この男、鈴木タッくんがかなり成長しているんです。人が変わったくらいに。

で、平穏にみえた恋愛ドラマは、あっけなく終止符を打ち、何だかいやな感じを残してラスト2行に到達します。

「……何考えてるの、辰也?」
「何でもない」と僕は答え、追想を振り払って、美弥子の背中をぎゅっと抱き締めた。

は!? 全然分かりません(笑)。 名前が…名前が…と、頭の中はぐるぐるしているんですが、読み返すのも面倒なので、


こちらの力をお借りしました。

ハハハハハハハハ…。きたねぇーよ!と、普段使わない言い回しまで頭に浮かんでしまいました(笑)。

スゴイですね…、こういう小説もあるんですね…。

ということで、一度読んでみてくださいませ。

それにしても、この繭子(マユ)さん、ホントに男にとって都合よく書かれていますね。ネットを見ると「女はコワイ」なんて感想を見かけますが、そのコワさも含め、ある種、男の理想的な女性として書かれているんじゃないでしょうか。

SideA のマユなんて、「♪ 処女と少女と娼婦に淑女~~」じゃないですが、すべて持っていますし、SideB では、男が別の女性を好きになったと去っていっても、追いすがったり、責めたりもせず、すんなり別れてくれます。

これは作家の願望が出ていますね(笑)。

ところで、これ、どうやって映画化するんでしょう?


映画『イニシエーション・ラブ』