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SYNODOS「伊勢崎賢治×伊藤剛」が面白い!一年前の記事がなぜ再掲載されているか分からないが…

2014/11/28 日々閑々

ちょうど伊勢崎賢治さんの「武装解除 紛争屋が見た世界」を読み終えたところですので、この記事が目にとまりました。

元々は 2013年11月16日に収録され、ちょうど一年前くらいに掲載された記事のようですが、何らかの理由で再掲載されたようです。

興味深いことがいくつかありました。

まず、「戦争」と「平和」は対立概念ではないということ。

戦争はリアルなものとしてイメージできるが、平和はとてもぼんやりしている。試しに、それぞれを google でイメージ検索してみるとよく分かる。

「平和=戦争のない状態」と考えれば、平和をプロパガンダすることは圧倒的に不利で、「平和」を可視化しないと「戦争」には勝てないが、難しい…と。

「戦争」が70年前のイメージのままでいいのか。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦争がまるで違うと同じように、今の、そしてこれからの戦争は全く違うものになる。専門性が必要となれば、徴兵制などという非効率なものより軍事会社に発注する戦争ということも考えられる。「子どもが徴兵制にとられる」的な戦争反対論は現実に追いついていない。

モノクロイメージの「戦争」ではなくミクロの「戦争」を伝えること。

伊藤剛さんがやっている「WAR EVE」という戦時下の日常生活を記録する活動が紹介されています。いろいろな事例が紹介されており、例を挙げるより記事を読んでもらった方がいいですが、たとえばこんな感じです。

 伊藤 他にも、学徒動員されて働いていた軍事工場で、倉庫に積まれていた荷物を外からは見えないように中をすっぽり空洞にして、みんなで逢い引き部屋にしていたとか(笑)。興味深い話がいっぱい出てきたんですよ。

恋愛の話だけじゃありません。長崎のある被爆者の方は野球が大好きな少年で、後楽園球場まで観戦に行っていたらしいのですが、それが1943年とかなんです。

被爆体験者やひめゆり学徒隊の体験談を聞くことも大切だが、

「戦争」と聞くと、ぼくたちの頭の中ではモノクロ写真で想起されます。でも、モノクロの世界は存在しません。いつの時代だって、空は青い。同じように、戦争体験もモノクロ化してしまっているので、それをカラー化するためには日常とセットにすることが必要だと思います。

「戦争はダメ」ではなく、いかに戦争をしないかの科学的アプローチを。

事故や災害はそれが起きれば対策を考えたり「防災」をいう発想がうまれるのに、「戦争」ではその点で遅れている。「反戦」を刷り込むだけの教育は貧弱だ。

同意できることばかりです。

「リスボンへの夜行列車」映画と原作の悩ましき関係
伊勢崎賢治「武装解除 -紛争屋が見た世界」
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