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入れたい人がいないと言っていないで、この際入れたくない人以外に入れた方が良くはないか

2014/12/11 日々閑々

「入れたい人がいない」確かにそう思います。

国会議員でさえ日々 twitter や facebook で自分自身をさらけ出すわけですから、今さら議員に幻想など抱いていないとはいえ、なんだオレよりバカじゃんとか性格悪そうとか思うのも当たり前で、どうせあの失言、実は失言ではない男も、自分の顔写真をワインラベルにして「私自身、分からないことが多すぎる」とのたまうあの女も、在特会と記念写真を撮ったあの女もあの男もみんな当選してくるのだろうと思えば、気持ちも萎え、どうせ世の中変わらんよと達観のポーズもとってみたくなりますが、何だかふと薄ら寒さを感じ、「この際入れたくない人以外に入れてみようか」と思い始めています。

今朝目覚めた時、ふっと「悪の凡庸さ」の言葉が浮かんだのです。

ドイツ系ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントの言葉ですが、彼女はナチスの重要人物アイヒマンの裁判を傍聴し、アイヒマンの中に想像したような「悪」を見いだせず、驚きながらもただ命令に従っただけのひとりの人間を発見し、人が思考停止に陥ることでとてつもない「悪」を体現することがあるのだと「悪の陳腐さ」「悪の凡庸さ」の言葉で指摘したのです。

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

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  • 作者: ハンナ・アーレント,大久保和郎
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昨年のちょうど今頃「ハンナ・アーレント」という映画を見たのですが、今自分のブログを見てみたら何と一年前の今日の日付で感想を書いていました。

movieimpressions.com

気づかないうちに思考停止が集団的に起きているのかも知れません。

内閣総理大臣安倍晋三さんは自身の facebook で在特会の記事をシェアし、副総理麻生太郎さんはナチスの手口に学べと語る、これがこの国の今です。

テレビには「日本はすごい」系の番組が溢れ、ニュースで流れる隣国の報道はひどいことばかり、ネットに押されて活力を失いつつある新聞では政府批判がめっきり減り、「反日」の言葉で相手を黙らせようとする行為が横行しています。

本当に誰かがナチスの手口を学んでいるのかも知れません。

「馬々と人間たち」藤原帰一氏が邦題は「私たちのなかの馬」がいいと言っているが…
「アベノミクスが争点」ならと消極的選択をしていると、「戦前レジームへの回帰」を積極的に選択してしまうかも知れない
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