参院選総括=沖縄、東北の結果の示しているもの=民進党の選挙戦略の失敗

「改憲勢力3分の2」の見出しが目立つ参院選の結果ですが、東北や沖縄の選挙区の結果を見ると、また違った見方が出来るのではないでしょうか。

沖縄選挙区では、島尻安伊子 沖縄・北方担当大臣 兼 科学技術政策担当大臣 兼 宇宙政策担当大臣(何だ、これ?)が落選し、東北6選挙区では、全て1人区の与野党対決の結果、自民党1、野党共闘5の結果となっています。

これが示していることは、明確な争点がある選挙区では、自公の与党が敗れているということです。沖縄はもちろん「辺野古」ですし、東北は「復興」「TPP」です。

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安倍くんが打ち出した争点が「アベノミクス」、そして受けて立つ民進ほか野党共闘は、それに対して「憲法改正阻止」、全く咬み合っていません。

ひとことで言えば、民進党の選挙戦略の誤りでしょう。

安保法制成立から10ヶ月、施行から3ヶ月、それにより何が変わったかまるで実感できない(それでいいと言っているわけではない)現実、そして当の安倍くんは勝ち誇ったように「憲法改正」のけの字も口にせず、補完勢力の公明党は直近の課題ではないみたいにはぐらかすという戦略に対して、曖昧模糊とした「憲法改正阻止」なんて争点にならなかったということでしょう。

要は、民進党は安倍くんになめられているということです。

「アベノミクス」に対して、「反アベノミクス」で受けて立てばよかったのです。だいたい「アベノミクス」なんて、お金をじゃぶじゃぶにして円安にして株価を上げるという金融政策でしょ。どう考えても、そんな一時的な政策で日本の抱える構造的な問題、たとえば少子化、製造業の空洞化、高齢化による第一次産業の衰退を解決できるわけがありません。

争点「アベノミクス」を正面から受けて立つべきだったのです。