@半径とことこ60分

ホーム>本>阿部和重著『シンセミア』え!?こんなにたくさんの人間を殺してしまうの?

阿部和重著『シンセミア』え!?こんなにたくさんの人間を殺してしまうの?

2017/02/18 本

挫折しそうになっていた『シンセミア』、結局読み切りました。

ausnichts.hatenablog.com

ただ、結構ずるをしていますので、本当のところを読み切れていないかもしれません。

まあ、性もないと読んだ本を良かったと思えるわけはないのですが、それでもやっぱり、この本を良かったと思う人そう多くないでしょう。あとがきに池上冬樹が解説を書いていますが、冒頭を引用しますと、

いやはや面白い。ほぼ十年ぶりに読み返したけれど、あきれるくらいに安っぽく、俗悪で、馬鹿馬鹿しい物語に昂揚をおぼえ、物語にひきこまれてしまった。 

らしいです。

本当にこの通りで、「あきれるくらいに安っぽく、俗悪で、馬鹿馬鹿しい」んです。

だって、1,600枚でしたっけ、それだけの枚数を書いてきて、何と物語を構成してきた人物のほぼ半数が死んでしまうんですよ。

人が死ぬことで物語を解決してしまうってのはアカンでしょう。

というふうに考えれば、著者が書きたかったのは、因果応報的なオチではなく、それまでの、何とも「安っぽく、俗悪で、馬鹿馬鹿しい」人間の営みということになります。

たしかに人間の執着心ってのは愚かさの源だとは思いますし、個々の人間の見ていることってのは物事のほんの一面だということではあります。

それにしても、これだけの長編が読む者の心に何も残さないというのは珍しい、ということです。

シンセミア(上) (講談社文庫)

シンセミア(上) (講談社文庫)

  • 作者: 阿部和重
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05/15
  • メディア: 文庫
  • この商品を含むブログ (4件) を見る
 
シンセミア(下) (講談社文庫)

シンセミア(下) (講談社文庫)

  • 作者: 阿部和重
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/05/15
  • メディア: 文庫
  • この商品を含むブログ (4件) を見る
 
美しい水と緑のまち弥富・史跡巡りウォーキング
親安倍産経読売 vs 反安倍朝日毎日東京(中日)
Twitter
Facebook
ブックマーク
LINEで送る

最初のサイドバー

Pick Up!

カテゴリーとことこ
とことこ
カテゴリー本
本
カテゴリー日々閑々
日々閑々

最新記事

2023/09/1

遠野遥著『浮遊』感想・レビュー・書評・ネタバレ

2023/08/20

東山動植物園ナイトZOOナイトズーに行ってきました

2023/08/4

遠野遥著『破局』感想・レビュー・書評・ネタバレ

2023/07/17

ツルマ ガーデン TSURUMA GARDEN

2023/07/7

河林満著『渇水』感想・レビュー・書評・ネタバレ

最新記事を一覧で見る

よく読まれている記事

よく読まれている記事を一覧で見る

カテゴリー

  • とことこ215
    • さわやかウォーキング96
  • マンション管理34
    • その他11
    • 建て替え1
    • 管理会社12
    • 耐震診断10
  • 料理20
  • 日々閑々253
  • 映画29
  • 本194
  • 歴史26
  • 生活43

Footer

My Web Sites

  • @半径とことこ60分
  • そんなには褒めないよ。映画評
  • IMUZA.com
  • GitHub

Related Sites

  • さわやかウォーキング
  • ALL REVIEWS
  • 好書好日
  • 読書メーター

Contact Us

  • お問い合わせフォーム
  • Twitter
  • Facebook
  • Feedly

Copyright © 2023 · IMUZA.com