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教育勅語=権力者が真理を語ったらそれは全体主義への道

2017/04/5 日々閑々

教育勅語の積極的活用を推奨する考えない 官房長官 | NHKニュース

このニュースの報じ方、「教育勅語の積極的活用を推奨する考えはない」と報じるのか「教育勅語 教材としての使用 否定されない」と報じるかによって随分印象が変わりますね。各新聞やテレビがどう報じているかでこの問題に対する立ち位置がよくわかります。

で、この問題、森友問題を機に、というより、逆利用してなんですが、安倍政権が一気に「戦前回帰」への攻勢にでている感です。それだけ安倍政権が、森友問題でも批判はこの程度かと国民(もちろん親安倍もいるので全てではないですが)をなめているのでしょう。

教育勅語の件は答弁書を閣議決定したというものですが、他にも、共謀罪の審議入り(ほぼ強行採決決定)、自民党の敵地先制攻撃能力保持の求め(ぶち上げて意識の麻痺狙い)と一気に憲法改正発議まで突き進みそうです。

で、教育勅語です。

一旦緩?急?アレハ義勇?公?ニ奉シ以テ天壤無窮?ノ皇運?ヲ扶翼?スヘシ

まず、教育勅語の肯定派、表立って肯定的に発言している稲田防衛大臣が目立っていますが、上の引用記事では菅官房長官も同じことを言っています。

つまり、教育勅語は、『親を大切にする、兄弟姉妹は仲よくする、友達はお互いに信じ合うなど、ある意味で人類普遍のこと』を言っているのですべて否定されるべきものではないと言います。

一方、それに反対する意見の代表的なものは、中程にある『一旦緩?急?アレハ義勇?公?ニ奉シ以テ天壤無窮?ノ皇運?ヲ扶翼?スヘシ』(現代語訳は)『万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ』(ウィキペディア)が、天皇や国のために死ぬことまでをも求めた戦前の軍国主義への道となったというものです。

国会中継もたまにしか見ませんのであるいは質問しているかもしれませんが、なぜ野党は稲田氏や菅氏に『一旦緩?急?アレハ義勇?公?ニ奉シ以テ天壤無窮?ノ皇運?ヲ扶翼?スヘシ』についてはどう思うのかと質問しないのでしょう?

そもそも全体の考え方が間違っているものに対して、その一部の言葉がまっとうだからといって正当化するなんてことができるわけもありません。菅氏にしても稲田氏にしても、◯◯じゃないでしょうから、そんなことは百も承知なわけで、議論を各論に持ち込むことで「教育勅語」そのものを復権させようとしていることは目に見えています。

『憲法や教育基本法に反しない範囲』なら OK って、そもそも『朕が思うに、』『汝臣民は、』『ここに示した道は、』って、憲法に違反していますやん。

親を大切にする、兄弟姉妹は仲よくする、友達はお互いに信じ合うことは人類普遍の真理か?

ところで、『親を大切にする、兄弟姉妹は仲よくする、友達はお互いに信じ合う』ことは人類普遍の真理なんでしょうか?

いやいや、親を大切にしなくていいなんて言おうとしているのではありません。

ただ、そんな個的なことに対して権力者が「真理」という言葉を持ち出して個人に強要するなんてことは全体主義そのものです。

政治家が真理なんて言葉を持ち出すときほど危険なことはありません。政治家は実務者であるべきで、宗教家や哲学者であってはなりません。

その時代に生きている人間はターニングポイントに気づかない

やや話がそれますが、教育勅語だけではなく戦前の軍国主義や戦争そのものを語る場合に「犠牲」という視点で語られること結構あります。

でも、そうとも言えないですよね。どんな独裁政権でも、ある一定の国民からの支持がなければ続かないです。戦前の軍国主義にしたって国民の多くは支持していたんだと思います。それを洗脳ということも簡単ですが、そう言っていると結局同じことを繰り返しますよね。

何が言いたいかといいますと、今の安倍政権、これが10年、20年前ならとっくに退陣しています。数年前でさえありえなかった状態です。

つまり、過去を振り返れば、いくつもここで止められたはずだというターニングポイントがあるのですが、その時代に生きている人間はそこに気づくことはないのだということです。 

春爛漫の大垣 さくらトンネル、わさび、防水布の北コース
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