記事一覧

クマラスワミ報告を読んでみたら、吉田証言の真偽などほとんど関係ないワ

2014.09.26

日々閑々

「クマラスワミ報告」に対して、「吉田証言」がどの程度の影響を与えているか知りたくて、報告を読んでみました。ネットには、(財)女性のためのアジア平和国民基金の資料 pdf と荒井信一さんという方の訳された html がありました。全文はこちら - 慰安婦問題アジア女性基金デジタル記念館 クマラスワミ報告これを読むと、日本国内の論争(にもなっていない)と世界の認識にはとんでもない大きな隔たりが...

「そこのみにて光輝く」映画への注目が原作への注目へ、そして佐藤泰志さん再評価へ。

2014.09.05

日々閑々,

呉美保監督がモントリオールで最優秀監督賞を受賞した「そこのみにて光輝く」がアカデミー賞外国映画賞のノミネート候補になっているとのことです。これを契機に佐藤泰志さんの作品もさらに注目されることを期待します。個人的には、映画は原作とは随分違ったトーンのものになっていると思いますが、まあ原作と映画の関係ってものはそれもありかなと思います。「そこのみにて光輝く/呉美保監督」この映画は、原作に比して...

桜庭一樹「私の男」男には優しく、女には厳しい

2014.07.12

映画の感想でちょっとばかり書きすぎているかも(笑)と反省し、原作を読んでみました。「私の男/熊切和嘉監督」二階堂ふみばかりをフィーチャーしすぎてドラマ自体が不明確になってしまった アイドル映画のようだ - 沈黙する言葉私の男作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 442回この商品を含むブログ (4...

【女性差別ヤジ】世界よ、これが国際ジャーナリスト木村正人氏の立ち位置だ!

2014.06.23

日々閑々

やっと、ヤジった当人が名乗り出たようです。この件を知った時、ふっと気になったのは、ヤジに続いて起きた「笑い」のことで、果たして自分がその場にいたとして、どういう態度を取っただろうということです。あるいは、怒りとかに直結せず、たとえ10秒後に「何ということを!」と感じたとしても、一瞬笑ったかも知れないと思い、ちょっとばかり怖くなりました。内なる偏見や差別意識を解き放つことは本当に難しいことです...

中森明夫氏「アナと雪の女王」アナとエルサ二つの人格論をキョヒられる!

2014.06.18

日々閑々

「借りた私が悪かったです…」で終わってしまった「アナーキー・イン・ザ・JP」の中森明夫さんの話題です。多分「中央公論」掲載拒否!に引っかかったんでしょうね、読んでみましたら、結構興味深く面白かったです。下がリンクです。REAL-JAPAN » 「中央公論」掲載拒否! 中森明夫の『アナと雪の女王』独自解釈内容は、「アナと雪の女王」のアナとエルサの関係は、一人の女性の二つの人格との独自解釈から「抑...

「舞の海氏が排外発言」記事の顛末、そもそも対立構造の中の話だからねえ…

2014.05.29

日々閑々

“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言 (週刊金曜日) - Yahoo!ニュース“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言週刊金曜日 5月22日(木)18時20分配信改憲を唱える政治団体が4月29日、東京・明治神宮会館で開いた「昭和の日をお祝いする集い」で、厚労政務官・高鳥修一衆院議員(自民)らを先頭に、来賓と全参加者約250人が起立し、“聖寿万歳”と称し「天皇陛下万歳」を大合唱...

性同一性障害が性的違和に?

2014.05.29

日々閑々

「障害」を「症」に 精神疾患の新名称公表 (産経新聞) - Yahoo!ニュース「障害」を「症」に精神疾患の新名称公表産経新聞 5月28日(水)19時5分配信日本精神神経学会は28日、米国で昨年策定された精神疾患の新診断基準「DSM-5」で示された病名の日本語訳を公表した。子供や不安に関する疾患では「障害」を「症」に改めるなど、差別意識を生まないよう配慮した。主な例では「注意欠陥・...

井上魅夜「化粧男子」どう生きるかを悩む者はどんな哲学書よりもこの本を読むべきだ!

2014.05.20

訳あって、LGBT系、特にトランスジェンダーに関する本を読みあさっています。これ、むちゃくちゃ面白いです。化粧男子 男と女、人生を2倍楽しむ方法作者: 井上魅夜出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2012/09/27メディア: 単行本(ソフトカバー)クリック: 10回この商品を含むブログ (2件) を見る 1982年生まれですから、32歳、これまでの自分の生き様...

國分功一郎「来るべき民主主義」

2014.04.24

「暇と退屈の倫理学」と同時に読み始めた「来るべき民主主義」。こちらは哲学書ではなく、副題にもある通り、國分氏自身が小平市の都道建設問題に関わることで疑問を持った、現在の民主主義に対する具体的な提言書のようなものです。来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題 (幻冬舎新書)作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/09/28メディア: 新書...

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」これはある種本末転倒の修正主義ではないだろうか

2014.04.21

暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリック: 146回この商品を含むブログ (121件) を見る 新進気鋭なんでしょうか? 1974年生れの40歳ですから、そうでもないですね。最近よく見かけるようになった國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」、なかなか面白かっ...

長谷川幸洋「2020年新聞は生き残れるか」中日新聞は「ピンクや黄色の実験室 かっぽう着アイデアも」と物語を語ったようだ

2014.04.21

日々閑々,

確か佐村河内騒動の時だったと思いますが、 某TV番組で、「メディアは物語を作りたがる」という話になった時に、自身東京新聞・中日新聞の論説委員でありながら「メディアとはそういうものだから、仕方がない」と居直っていたのが印象に残り、「2020年新聞は生き残れるか」を読んでみました。2020年新聞は生き残れるか作者: 長谷川幸洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/28メ...

STAP/笹井さんと小保方さんが、発表の前に研究室をピンクに塗り替えたらしい…(中日新聞より)

2014.03.15

日々閑々

時事ネタでも書いてみようかと「時事ネタ」カテゴリを作ってみました。 その動機(というほどのことはなく、何となくですが…)は、今朝の中日新聞の政治欄の特集(のような)記事「STAP疑惑底なし」を読んで「へー」と思ったからです。当然ながら、以下、STAP細胞の科学的な論点には全く触れていません(笑)。まずは、もう少し文書量は多かったように思いますが、ほぼ同じ内容のネット記事がありましたのでリンク...

今月の挫折本「abさんご」と推薦本「abさんご(毬、タミエの花、虹)」

2014.03.06

abさんご作者: 黒田夏子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/01/20メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 912回この商品を含むブログ (32件) を見る  史上最高齢の75歳で芥川賞を受賞された黒田夏子さんの「abさんご」を読み始めたのですが、全く進みません。何度挑戦しても一ページ目ではじかれます。いかに漢字という文字が優れているか思...

鹿島田真希「冥土めぐり」これは、イヤミでも何でもなく、グチを小説にした希有な作品かも…

2014.02.20

冥土めぐり作者: 鹿島田真希出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/07/07メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 287回この商品を含むブログ (37件) を見る 不思議な作品です。私には分からない世界があるように感じつつも、その分からなさそのものが分かりにくいといった感じです。いくつか疑問はあるのですが、まずはこんな話です。 三十代前...

今月の挫折本「私のいない高校」「アナーキー・イン・ザ・JP」

2014.02.10

私のいない高校作者: 青木淳悟出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/14メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (40件) を見る  「主人公のいない青春小説」との帯を見て、「桐島、部活やめるってよ」を思い出したのですが、それとは随分違うタイプの内容でした。そもそも小説と言えるのかどうか、文体はほとんど報告書のようです...

「佐藤泰志作品集」で暮れた今年の正月〜映画まもなく

2014.02.06

今頃正月の話もなんですが、正月休み一週間は、佐藤泰志作品集で暮れました。688ページ、二段組みですから級数もかなり小さく、厚さも数センチはあるかと思います。かなりの読みでです。佐藤泰志作品集作者:佐藤泰志発売日: 2007/10/10メディア: 単行本 佐藤泰志さんの著作は、3年ほど前にほとんど読んでいるのですが、映画「そこのみにて光輝く」の話をちらほら目にし始めたこと...

村田沙耶香「タダイマトビラ」私には白馬の王子様幻想の変奏曲に思えるのだが…

2014.01.31

タダイマトビラ(新潮文庫)作者:村田沙耶香発売日: 2017/04/21メディア: Kindle版 読み始めた十数ページは、どことなく新鮮なものを感じて、結構期待したのですが、その後読み進んでも、観念的なあるテーマから一向に拡がりをみせない展開にややうんざりし、何とかラストにたどり着いたものの、ちょっといただけないエンディングでとても残念でした。観念的なあるテーマという...

小山田浩子「工場」飛び立てない黒い鳥が何とも不気味な滑稽さを…

2014.01.25

工場作者: 小山田浩子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/03/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (22件) を見る  本を読み始める時って、まずは、ぱらぱらぱらと、全体はどんな感じかなと確認しようとしませんか? 私はします。で、びっくり! 改行がほとんどありません。最後まで、全てのページに文字がびっしりです。さらに、読み始めてびっくり! ひとつ...

芥川賞に小山田浩子さん

2014.01.19

芥川・直木賞:芥川賞小山田さん、直木賞朝井さん姫野さん - 毎日新聞小山田浩子さん? どこかで見た名前だなあと思っていましたら、何と「工場」という単行本が手元にありました。1週間ほど前に図書館から借りてきた内の1冊なんですが、たまたま目にとまっただけで、目的を持って借りたわけではありません。他のものから読み始めていますので、まだ手(目)をつけていません。借りられる期間が2週間ですので、あるい...

「生きてるだけで、愛。/幸せ最高ありがとうマジで!/ぬるい毒/本谷有希子」舞台を見ていないので何とも言えないが、戯曲より小説の道に進むべきだ

2012.03.15

本谷有希子さん、これで計5冊読みました。こんなところで、もういいような…。生きてるだけで、愛。生きてるだけで、愛。(新潮文庫)作者:本谷有希子発売日: 2018/06/22メディア: Kindle版   過眠症、メンヘルの女の必死な愛を描いています。さすがに共有できるところは少ないですが、女であれ、男であれ、今の、いわゆる等身大の若者像がよく分かります。幸せ最...