三浦しをん著『光』

2018.01.09

光 (集英社文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/10/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (15件) を見る 映画「光」 を見て、いくら何でも原作はこんなにひどくないだろう(ペコリ)と思い読んでみました。んー、原作も結構あっさりしていますね。ただ、やはり物語の軸は、映画「光」(ほぼネタバレ)全員ミスキャストに見えてしまう、そ...

紗倉まな著『最低。』

2017.12.27

最低。作者: 紗倉まな出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2016/02/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 瀬々敬久監督「最低。」を見て原作を読みました。 4人の女性、彩乃桃子美穂あやこ

梯久美子著『狂うひと』島尾ミホ『海辺の生と死』

2017.11.30

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ作者: 梯久美子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る 映画「海辺の生と死」を見て、島尾ミホ著『海辺の生と死』や島尾敏雄著『死の棘』とあわせて読みました。この『狂うひと』は、島尾ミホさんの評伝という位置づけになるかと思いますが、かなりの力作で、ある種神話...

フィリップ・ジャン著 松永りえ訳『エル ELLE』(Oh…)

2017.11.16

映画,

映画を見て興味を持ち読んだ本です。movieimpressions.com上のリンクの映画のレビューでは、おそらく元々は、被害女性が、レイプ犯は元夫?恋人?部下?隣人?といろいろな仕掛けをして追い詰めていくサスペンスが基調ではではないかと思うと、原作を想像して書きましたが、全く違っていました。ミシェルのキャラクターはともかく、映画はかなり原...

坂野潤治著『帝国と立憲』いざ戦争になった時、我々は反戦を貫けるか?

2017.11.08

日々閑々,

帝国と立憲: 日中戦争はなぜ防げなかったのか (単行本)作者: 坂野潤治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/07/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る たまたまではないとは思いますが、タイトルに「立憲」と入った坂野潤治さんの新刊が出ました。明治維新から太平洋戦争敗戦までの70年余りを「帝国」と「立憲」という対立する概念からとらえな...

角田光代著『月と雷』 聖と俗みたいなもんですかね…

2017.11.02

月と雷 (中公文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/06/26メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 映画を見て面白い話だなあと思い原作を読みました。映画の感想はこちら。movieimpressions.com映画はおおむね原作通りに作られていますね。ただ、書き出しが智(さとる)を主人公にした記述で始まりますので...

角田光代著『私のなかの彼女』

2017.10.26

私のなかの彼女 (新潮文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/04/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 映画「月と雷」をみて、原作を読もうとしたのですが、図書館では全て貸し出されていましたので書棚にあった最新のものを借りてみました。書き出しはつまらないなあと思ったのですが、しばらく読むうちに、何だか甘い二人(和歌と...

小川理子著『音の記憶』

2017.09.03

「日本の会社で働く全ての女性に贈る  働くこと、愛すること、継続すること。」とのコピーがつく、現パナソニック(株)執行役員であり、ジャズピアニストとしてビクターから CDも出している小川理子(みちこ)さんの松下電器入社から現在に至る自らの成功体験本です。 音の記憶 技術と心をつなげる作者: 小川理子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/02/27メディア: 単行本この...

上間陽子著『裸足で逃げる』

2017.08.25

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)作者: 上間陽子,岡本尚文出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2017/02/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 沖縄に暮らす6人の女性たち。虐待、DV、レイプ、その多くの女性が10代にして出産、シングルマザーとしてキャバクラなど夜の街で働きながら子育てをしているという現実です。琉球大学教...

東山彰良著『僕が殺した人と僕を殺した人』(ネタバレ)面白いのですが、書ききれていない印象です

2017.08.16

面白かったのですが、直木賞受賞作「流」と同じように集中するところまでいくには結構時間(ページ数)がかかります。 僕が殺した人と僕を殺した人作者: 東山彰良出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/05/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る この作家の特徴ですかね。入り込めば後はすんなりなんですが、どうしても出だしで躓きそうになります。...

柴崎友香著『春の庭』写真で言えば、標準レンズ、望遠レンズ、そして超広角レンズの感覚

2017.07.09

頑張って読んだらかなりいい作品でした!って感じです。春の庭作者: 柴崎友香出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/07/28メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (60件) を見る 読み始めて、あれ?これ読んだことあるかも?と思いながら数ページ読み進んだのですが、どちらとも確信がもてません。どうやら前回は途中で投げ出...

望月衣塑子著『武器輸出と日本企業』

2017.06.27

日々閑々,

例の加計学園問題での菅官房長官の記者会見で、徹底的に食い下がって、答えているようで何も答えていない菅官房長官の欺瞞をあからさまにした東京新聞の望月衣塑子さんの著書『武器輸出と日本企業』を読んでいることもあり、この記事がちょっと気になりました。海自最新鋭機、仏にたどり着けず 関係者「恥ずかしい」:朝日新聞デジタル【P1哨戒機】海上自衛隊の最新鋭機、フランスにたどり着けず...「恥ずかしい」と関...

藤沢周著『武曲』映画を原作と比べてみると脚本の酷さがわかる

2017.06.26

映画,

武曲 (文春文庫)作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/03/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 映画「武曲」を見て、その際、原作の読書メーターなど読むにつけ、むちゃくちゃ面白そうな小説だと思い読んでみました。ausnichts.hatenablog.jp正直なところ、読書メーターなどの感想で想像したものとはまったく...

森元斎著『アナキズム入門』

2017.05.27

アナキズム入門 (ちくま新書1245)作者: 森元斎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/03/06メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る この本を読んで一番疑問に思うことは、本当にこういう文体の本が売れるのだろうか?ということと、出版側は本当に売れると思っているのだろうか?ということです。こういう文体を何ていうんでしょうね? 口語体で、な...

ダニエル・ケールマン著『僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅』瀬川裕司訳

2017.05.11

映画,

僕とカミンスキー作者: ダニエル・ケールマン,瀬川裕司出版社/メーカー: 三修社発売日: 2009/03/01メディア: 単行本クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る 映画を見て原作を読みました。ausnichts.hatenablog.jpびっくりするくらい映画と同じでした。ああ、逆ですね、映画がほぼ原作通りに撮られていました。細かいところま...

浜矩子著『どアホノミクスへの最後の通告』

2017.04.28

日々閑々,

どアホノミクスへ 最後の通告作者: 浜矩子出版社/メーカー: 毎日新聞出版発売日: 2016/10/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ときどき新聞のコラムなどで見かける浜矩子さん、反安倍(アベノミクス)が明確で気持ちのいい方なんですが、経済予測はほとんど当たらないことでも有名な方です(笑)。ただ、経済予測なんてどっちにしたって五分五分なんですし、そん...

ビー・フェイユイ(畢飛宇)著『ブラインド・マッサージ』

2017.04.27

映画,

ブラインド・マッサージ (エクス・リブリス)作者: 畢飛宇,飯塚容出版社/メーカー: 白水社発売日: 2016/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ロウ・イエ監督の「ブラインド・マッサージ」を見て、面白そうと思い読んだ本ですが、もう一度映画を見たくなりました。原作があり映画化される場合で、原作も良かった、映画も良かったというケースは稀で、期待して...

加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

2017.03.29

, 歴史

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/06/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) を見る 著者の加藤陽子さん、東大の教授で専門は日本現代史、ご本人はこの本の中で(専門は)1929年の大恐慌、そこから始まった世界的な経済危機と戦争の時代、なかでも1930年代の外交と軍事です。...

遠藤周作著『沈黙』 映画と原作

2017.03.10

映画,

沈黙 (新潮文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/10/19メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 337回この商品を含むブログ (266件) を見る 映画「沈黙‐サイレンス‐」マーティン・スコセッシ監督を見て、原作を読み直してみました。読み直すといっても、前回読んだのは云十年前の中学生(と記憶していましたが高校生かも?)の時以来で...

阿部和重著『シンセミア』え!?こんなにたくさんの人間を殺してしまうの?

2017.02.18

挫折しそうになっていた『シンセミア』、結局読み切りました。ausnichts.hatenablog.comただ、結構ずるをしていますので、本当のところを読み切れていないかもしれません。まあ、性もないと読んだ本を良かったと思えるわけはないのですが、それでもやっぱり、この本を良かったと思う人そう多くないでしょう。あとがきに池上冬樹が解説を書いていますが、冒頭を引用しますと、いやはや面白い。ほ...