映画

佐藤泰志著『夜、鳥たちが啼く』感想・レビュー・書評・ネタバレ

2023.03.08

映画,

昨年の暮に映画「夜、鳥たちが啼く」を見て、佐藤泰志さんの著作は全て読んだと思っていたのにこのタイトルには記憶がよみがえらず、それでも映画のレビューに「佐藤泰志さんはこんな男女は書きません!」と断言した手前、収録されている『大きなハードルと小さなハードル』を借りて再度読んでみました。佐藤泰志関連記事佐藤泰志さんは映画のような男女を書いていません!何度で...

村上春樹著『ドライブ・マイ・カー』感想・レビュー・書評・ネタバレ

2021.07.15

映画,

村上春樹さんの短編小説『ドライブ・マイ・カー』が濱口竜介監督によって映画化され、現在カンヌ映画祭のコペンティションに出品されています。その小説は『女のいない男たち』という短編集に収録されており、映画を見る前に読んでみました。女のいない男たち (文春文庫)作者:村上春樹文藝春秋Amazon映画は8月20日公開小説「ドライブ・マイ・カー」ネタバレあらすじ チェーホフ「ワ...

映画館、なぜこの席を取る?!

2021.07.06

映画, 生活

映画のレビューサイトを立ち上げていますのでそれなりの本数を見ています。で、映画館でなぜその席を取る?!という理解できないことがありましたので怒りを込めて書いておきます(笑)。某映画館の某スクリーンの客席図です。「I-13, 1-14」「C-6」の席は取れなくなっています。もともと混雑するところが嫌いですし、できるだけゆったり座って観たいので通路側の端っこを取ることが多く、このスクリーンは左...

吉川惣司 矢島道子著『メアリー・アニングの冒険』

2021.05.16

映画,

映画「アンモナイトの目覚め」を見て知ったメアリー・アニングさん、映画でも一応化石収集家として描かれてはいますが、テーマは一貫してレズビアンというセクシュアリティを追った映画になっていました。実在した人物なのにこんな一面的な描き方でいいのかなあと疑問が生まれ、いろいろググっていましたら「メアリー・アニングの冒険」という伝記本があり、なんと! それも翻訳ではなく日本で出版されているものでした。...

白石一文著『火口のふたり』映画の原作本

2019.09.26

映画,

映画「火口のふたり」の原作本です。映画のレビューはこちらです。 この映画を見るまで白石一文さんを知らなかったのですが直木賞作家なんですね。物語としては、映画はほぼ原作通りに進んでいます。ただ、映画では言葉だけの賢治の背景にかなり嘘っぽさを感じていたんですが、さすがに小説ともなりますとその記述も多く、少しは賢治の思いも伝わってくるようにはなっています。火口のふたり (河出文庫)作...

望月衣塑子著『新聞記者』 映画よりも権力の怖さがわかる

2019.07.13

日々閑々, 映画,

映画「新聞記者」の原案との触れ込みの望月衣塑子さんの「新聞記者」を読みました。 ああ、逆ですね、映画のほうが望月さんの名前を触れ込んでいるということです。新聞記者 (角川新書)作者: 望月衣塑子出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/10/12メディア: 新書この商品を含むブログ (7件) を見る 望月さんの名前をはっきり知ったのは、例の菅官房長官の...

「ROMA/ローマ」を見るために 地の果て(イオンシネマ茶屋)に行く

2019.03.18

とことこ, お出掛け散歩, 映画

昨年2018年のベネチアで金獅子賞を受賞、アカデミー賞で外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」を見るために地の果てイオンシネマ茶屋に行ってきました。率直なところ、もっと都心の映画館で上映してほしいものです。名古屋駅からですと、あおなみ線で名古屋競馬場前まで12分、バスに乗り換えて20分くらいです。なんだ大したことないじゃないですか。ということで...

柴崎友香著『寝ても覚めても』 映画も良い、原作も良い

2018.09.22

映画,

寝ても覚めても: 増補新版 (河出文庫)作者: 柴崎友香出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/06/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 映画が良かったので原作を読んでみました。面白いですね。この小説からあの映画が生まれるのかとも、この小説だからあの映画なんだとも、なんとも不思議な感じで、このふたつ、随分雰囲気は違うのですが、た...

「ベロニカとの記憶」の原作=ジュリアン・バーンズ著『終わりの感覚』

2018.02.04

映画,

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)作者: ジュリアンバーンズ,Julian Barnes,土屋政雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/12/01メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (31件) を見る 映画「ベロニカとの記憶」の原作です。 映画とは随分印象が違います。表現形態の違いと言ってしまえばそれま...

フィリップ・ジャン著 松永りえ訳『エル ELLE』(Oh…)

2017.11.16

映画,

映画を見て興味を持ち読んだ本です。movieimpressions.com上のリンクの映画のレビューでは、おそらく元々は、被害女性が、レイプ犯は元夫?恋人?部下?隣人?といろいろな仕掛けをして追い詰めていくサスペンスが基調ではではないかと思うと、原作を想像して書きましたが、全く違っていました。ミシェルのキャラクターはともかく、映画はかなり原...

藤沢周著『武曲』映画を原作と比べてみると脚本の酷さがわかる

2017.06.26

映画,

武曲 (文春文庫)作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/03/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 映画「武曲」を見て、その際、原作の読書メーターなど読むにつけ、むちゃくちゃ面白そうな小説だと思い読んでみました。ausnichts.hatenablog.jp正直なところ、読書メーターなどの感想で想像したものとはまったく...

ダニエル・ケールマン著『僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅』瀬川裕司訳

2017.05.11

映画,

僕とカミンスキー作者: ダニエル・ケールマン,瀬川裕司出版社/メーカー: 三修社発売日: 2009/03/01メディア: 単行本クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る 映画を見て原作を読みました。ausnichts.hatenablog.jpびっくりするくらい映画と同じでした。ああ、逆ですね、映画がほぼ原作通りに撮られていました。細かいところま...

ビー・フェイユイ(畢飛宇)著『ブラインド・マッサージ』

2017.04.27

映画,

ブラインド・マッサージ (エクス・リブリス)作者: 畢飛宇,飯塚容出版社/メーカー: 白水社発売日: 2016/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ロウ・イエ監督の「ブラインド・マッサージ」を見て、面白そうと思い読んだ本ですが、もう一度映画を見たくなりました。原作があり映画化される場合で、原作も良かった、映画も良かったというケースは稀で、期待して...

遠藤周作著『沈黙』 映画と原作

2017.03.10

映画,

沈黙 (新潮文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/10/19メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 337回この商品を含むブログ (266件) を見る 映画「沈黙‐サイレンス‐」マーティン・スコセッシ監督を見て、原作を読み直してみました。読み直すといっても、前回読んだのは云十年前の中学生(と記憶していましたが高校生かも?)の時以来で...

シン・ゴジラ=描かれているのは 「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」ではなく、 現実(ニッポン)対現実(セカイ)

2016.08.15

映画

なにげなくネットニュースやらツイッターやらを見ていましたら、「シン・ゴジラ」に関するこんな記事を発見。gendai.ismedia.jp別ブログで映画の感想やレビューを書いている手前、ちょっと気になり読んでみましたら、「ああそうだね、そこまで読み切らないとマズいかもね」と、自分のブログには「こういう映画は面白ければいい」などと書いていることが少しばかり恥ずかしくなりました。movieimpr...

佐藤泰志回顧展「〈青春の記憶 夢みる力〉佐藤泰志の場所」が中日新聞に紹介されていた

2016.06.03

日々閑々, 映画,

ウェブにはないみたいですので、写真を撮りました。これですね。<青春の記憶 夢みる力> 佐藤泰志の場所(トポス)もう一度読み直してみますかね。佐藤泰志作品集作者: 佐藤泰志出版社/メーカー: クレイン発売日: 2007/10/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (23件) を見る 映画は、9月17日公開のようです。...

佐藤泰志さんの「オーバー・フェンス」が山下敦弘監督の手で映画化されたらしい!

2016.05.30

映画,

これは楽しみです!overfence-movie.jp「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」と映画化されているのですが、もうひとつ、佐藤泰志さんを感じられる映画になっていませんでした。でも、山下敦弘監督ならやってくれるでしょう(笑)。本を読んだ時の感想に tokotokotekuteku.comなどと書いています。ただ、多分「オーバー・フェンス」ではなく、「黄金の服」を考えての事だった...

「馬々と人間たち」藤原帰一氏が邦題は「私たちのなかの馬」がいいと言っているが…

2014.12.05

日々閑々, 映画

二、三日前に「馬々と人間たち」(リンク先音注意!)を見て、もうひとつのブログに感想を書いたのですが、movieimpressions.com今ググっていたら、「藤原帰一の映画愛」という、毎日新聞の連載ものなんでしょうか、11月4日と少し古い記事がなんですが、邦題に文句を言っている記事があり笑ってしまいました(笑)。藤原氏が言うには、原題が「Hross í oss」(英題:Of Horses...