日銀、2%達成6度目の先送り! アベノミクス3本の矢完全に折れる

日銀、物価2%達成時期「19年度ごろ」に先送り:朝日新聞デジタル

日銀が「2年で2%」と、消費者物価の前年比上昇率を公約したのが2013年4月4日、すでに4年余りの月日が経っています。

昨年11月に目標を18年度頃と先送りしていますので、これで先送りは6度目、仮に達成できたとしても6年以上かかることになると記事は伝えています。

日銀も安倍政権も、そろそろ間違っていましたと総括する時期じゃないですかね。

たまたま今、服部茂幸著『偽りの経済政策ー格差と停滞のアベノミクス』を読んでいますが、この本を読む限り、多くの経済指標は、アベノミクスが安倍政権の喧伝とは異なり成功していないことを示しているようです。

偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス (岩波新書)

偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス (岩波新書)

 

著者は、1章から4章まで様々な経済指標を分析した後、終章で次のように語ります。と言っても、この本、リフレ派である黒田、岩田日銀体制の批判が主眼であるようですので、正直なところデータ分析以外では大したことは言っていません。

アベノミクスの真実は単純である。日銀の異次元緩和はデフレ脱却にも、実体経済の回復にも失敗した。述べ就業時間は微減か、横ばいである。就業者の増加は、短時間就業者が増加したことと、労働生産性上昇率がほぼゼロになった結果である。
急速な円安は輸出拡大によって、成功する可能性があったと筆者も思う。しかし、実際は急速な円安は輸出を拡大させなかった。逆に円安にもかかわらず、輸入が急増した。輸出拡大なき円安は、円安インフレによって、実質賃金と家計の実質所得を削減した。それによって、消費が停滞する。こうして円安による経済回復のルートは途絶えた。

アベノミクス3本の矢のうち、第1の矢「金融政策」は折れ、第3の矢の「規制緩和による成長戦略」が、実はお友達のための規制緩和でありお友達の成長戦略であることがバレてしまっています。

で、第2の矢の「財政政策」、まあ財政出動、公共事業ということなんですが、先日こんな記事が出ていました。

jp.reuters.com

[東京 18日 ロイター] – 内閣府は、18日の経済財政諮問会議(議長、安倍晋三首相)で、「中長期の経済財政に関する試算」を提示した。経済成長率を実質「2%以上」と仮定しても2020年度の基礎的財政収支は8.2兆円の赤字となるとの見込みが示された。

今年1月時点で、内閣府は経済再生ケースの前提を実質2%、名目3%以上とし、20年度の赤字を8.3兆円と見込んでいた。今回は2%を超える実質成長を想定し、赤字幅を0.1兆円縮減させたが、政府が掲げる黒字化には、なお及ばない。

実質0%台後半、名目1%台前半程度と仮定したベースラインケースでは、同年度の赤字は10.7兆円と、より多くの赤字が残る見通しを示す一方、内閣府は、20年度の債務残高対GDP(国内総生産)比は186.9%と、17年度以降、徐々に改善する姿を示した。

日本、財政破綻近しですかね。